一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所
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査定士の実務
4. エンジンルーム内
01 査定の考え方
02 車両全体の印象
03 運転席及び室内
04 エンジンルーム内
05 ボディ外板
06 ガラス・灯火及びタイヤ
07 査定車の試走
08 修復歴の考え方
09 前部の修復歴
10 側面の修復歴
11 後部の修復歴
12 不正及び災害車両
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最近は、機能の耐久性が向上し、10万km以上走行しても調子よく走行する車が多くなってきた反面、休日の買い物等に使用する極端に走行距離の少ない車も案外多く見受けられます。

定期点検を実施しているユーザーの車なら不具合はないと思い込みがちですが、新車ユーザーの代替要因として「修理費がかさむので…」というケースも考えられます。走行キロ数や点検状況の如何に拘らず注意が必要です。


4-1 車台番号の確認

検査証の車台番号と現車の打刻番号が一致していることを確認します。登録したときの間違いなどで、同一でないことはまれにありますので注意が必要です。

各メーカーから多くの車種が出され、しかも頻繁にマイナーチェンジがおこなわれています。それらのモデルを総て憶えてしまうことはまずできないのが現実です。大半のものについて現車を見れば思い出すように日頃から知識を吸収しておかないと、不覚をとる可能性があります。


車台番号


4-2 ネームプレートの確認

ネームプレートは、各メーカーにより表記方法には差がありますが、いろいろな情報が記載されています。中でも一つの種類を特定するために設定されたモデルコード(通称型式)もあり、ネームプレートの見方をマスターすると、その車の内容を判読することができます。

車台番号
型式
モデルコード
カラーコード
エンジン型式、排気量 など


ネームプレート


4-3 エンジン・各装置の点検

エンジン本体及びエンジンルーム内各装置が正常に作動しているか、オイルもれ、ガスもれなどないかを点検します。

エンジンルーム内全般の汚れ具合
エンジンオイル及び冷却水の量、汚れ、もれ
ターボチャージャのオイルもれ
ミッション(デファレンシャル)のオイルもれ
ストラット及びアブソーバのオイルもれ
ブレーキ系統のオイルもれ
マスターシリンダ及びバッテリの液量 など


エンジン本体及びエンジンルーム内各装置


4-4 装備機器の確認

エアコンは、エンジンルーム内のコンプレッサ、エバポレータ、コンデンサ等の確認も重要です。また、パワーステアリングは、油圧ポンプはあるか、ギヤボックスに油圧パイプが継がっているか等の確認も重要です。その機器が正常な作動を行っているかなど点検します。

エアコンが正常な作動を行っているか
パワステ等のユニットから油もれはないか
ポンプ等から油もれ、ガスもれはないか など
ABSのユニットの有無 など
※エアコンのコンプレッサが取り外ずされていた事例もあります。


装備機器(パワステ)


4-5 内部周壁パネルの確認

車両前部の事故復元跡は、部品交換による修理が多いので、取り付けボルトやパネル接合部の状態を注意して確認します。ボンネット、フロントフェンダ等の交換跡を特に注意して、車の正常時の姿を頭に入れ、納得のゆくまで調べます。

損傷がラジエータコアサポートにまで及んでいる場合は、次の部分に注意します。
インサイドパネル
フロントクロスメンバー
フロントサイドメンバー


フロントフェンダの交換跡


Advice

エンジンチェックの基本的な動作として、オイルの量、汚れ、もれのチェック、オイルヘの水の混入が挙げられます。これがとかく軽視されがちです。馴れによる手抜きがあってはならない重要項目になります。

この基本動作を怠ったために、エンジンオーバーホールが必要な状態を見落したという事例があります。常に、原点に立ち返った基本動作の励行を心掛けることが大切です。


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